導師護衛編
第十四章
対  峙


 俺は傷を負ったドルニエに肩を貸してやりながら階段を下りていた。

 一命は取り留めたものの失血により1人ではまともに歩くことが出来ない状態だった。

 他の連中と合流してからまたちゃんとした治療をした方がいいだろう。今の状態では魔法もろくに使えないはずだ。

 マリアは先程の魔法で消耗し、見た目にも疲れている様子だった。

「マリア君。」

 突然、ドルニエがマリアに話しかけた。

「はっ・・はいっ導師様。」

 マリアは導師に突然名前で呼ばれたことに驚きながら返事をした。

「先程の治療魔法だが・・術式がまるでなっていなかった。あんな術式では術者に余計な負担がかかる上、制御も難しくなってしまっている。今の君の実力から考えるにいつ暴発しても不思議ではない危険な術式だ。」

「はい・・。ごめんなさぃ・・。」

 ドルニエが先程の魔法にケチを付けはじめるとマリアは申し訳なさそうに俯いた。

「この件が片づいたらギルドのわたしの研究室に来たまえ。基本的な魔法術式を叩き込んでやろう。」

「え・・?」

 導師の意外な一言にマリアは顔をキョトンとさせる。

「聞こえなかったのかね?この件が片づけば基本的な魔法術式を君に授けると言っているのだ。一度旅を中断しわたしの研究室へ来たまえ。よいな?」

 ドルニエが再度そう言い聞かせるとマリアの顔はパッと明るくなった。

「えええっ!?よ・よ・よろよろ・・よろしいのですかっ!?」

 よほど嬉しいのかマリアは舌をもつらせながら確認する。

 ドルニエが無表情に頷くとマリアの顔は更に喜びに満ちあふれる。

 しかしそれも一瞬だけだった。

「あ・・でも・・その・・導師様に収める学費なんてもうないんですぅ・・。」

 マリアの消え入りそうな声にドルニエは厳しい顔でマリアを睨むように見る。

「学費の心配は要らぬ。それよりあんな魔法しか使えないままで外をウロウロされたらハルダー研究室の沽券にも関わるのだ。必ず来たまえ。よいな?」

「は・・はいっ!」

 マリアは戸惑いながらも返事だけはしっかりとした。

 命を助けて貰った恩返しのつもりなのだろうか。

 ドルニエはマリアに無償で魔法授業を行うつもりらしい。

「君。ゲルマ先生の防御魔法を破る方法とやらを聞いておこう。」

 ドルニエは今度は俺の方にそう言ってきた。

「ああいいぜ。ただしこの方法でも俺達の方がまだ分が悪いってことを頭に入れて聞いてくれ。」

「ふむ。」

 俺は歩きながらその方法を奴に話してやった。

「なに!?」

 話を聞いたドルニエは驚きを隠せなかった。

「なるほど・・確かにこれだと破れる可能性はあるな。これに賭けてみよう。」

 ドルニエは少しだけ考え込むとすぐにそう結論を出した。

 そうやって話しているうちに俺達は1階につき、皆と合流を果たした。 

 

「テイファ!マリア!そして導師さんも皆無事だったか!」

 キッドは俺達の姿を見て安堵の息をもらした。

 怪我をしているドルニエの周りにはすぐに魔術師が取り囲み、治療をはじめる。

「マリア!・・ったく。突然居なくなるから心配したんだぞ?」

「ご・・ごめんなさいっ。テイファさんが降りてこなかったから心配になって・・。」

 帰ってきたマリアは早速キッドに叱られていた。どうやら勝手にでてきたらしい。

「とにかく皆、無事でよかった。心配しましたよ。テイファ。」

 マイケルがさわやかな笑みを浮かべて迎えてくれる。しかし奴には悪いがこの笑みは苦手だ。

 このいかにもか弱い女性に対する特別な対応は小馬鹿にされているようで気に入らないのだ。

 しかしこいつの場合下手な下心がないので始末が悪い。奴はあくまでも純粋な気持ちでこういう対応をしているのだ。

 それを下手につっぱねるのは流石に気が引けるからな。

「皆、よく聞け。これよりゲルマ先生緊急対策会議を行う。大食堂へ集合せよ!」

 ドルニエを取り囲んでいた魔術師の一人がドルニエの話を一通り聞いた後にそう指示を出した。

「我々も行きましょう。」

 マイケルはそう言って大食堂の方へと向かって歩き出した。残った俺達も後に続く。

 この場に逃げ込んでいた魔術師を初め、警備の戦士達や召使いまで全員召集された。

 総勢30人は下るまい。

 それだけの人数が一階の大食堂に集まった。

 議長は現在ここにいる魔術師の中で最上位であるドルニエが必然的に務めることになる。

 食堂はただならぬ事態に混乱していたが、ドルニエが指示を出すと皆は適当に着席した。

 皆が席に着き、私語が聞こえなくなるとドルニエは話しを始める。

「諸君らも既に知っているとおり、現在ゲルマ先生が上階において戦闘を行っている。

 ゲルマ先生がなぜあのような凶行に走られたのかは定かではない。

 これよりゲルマ先生に対抗するための作戦会議を執り行う。」

 ドルニエはここまで話して一呼吸おく。周りの魔術師達は皆、不安そうな顔でドルニエを見ていた。

「まず諸君らに理解して置いて欲しいことがある。

 ゲルマ先生は強力な魔力を数度放出しているため、既に消耗しきっていると思っている者もいると思う。

 だが決してそうではない。」

 ドルニエの説明を受けて辺りが騒然となる。疑問の声、恐怖の悲鳴等様々だ。

 しかしそれらの声もドルニエが静かにするよう指示するとピタリと止んだ。

「基本的に先生は手にされた剣で魔術師達を斬殺していた。

 この剣こそゲルマ先生が研究されていたマジックソードだと見られる。

 上階で放出された魔法のほとんどは上階魔術師により応戦のために放たれた魔法による物で先生自身はまだまだ許容範囲内の魔力しか振るわれておられない模様だ。

 そしてわたしや彼女が見たところ、ゲルマ先生はルーンシールド及びシールドを張られており、それらにはにはしっかりとエクステンションがかかっていた。その効果は今でも健在と見られる。」

 彼女とは無論、俺のことだ。

「じゃ・・じゃあ導師さん・・」

 キッドが思わず声を上げる。

「うむ。魔法のかかった武器でもない限り、今のわたし達に対抗手段は無い。」

 間髪入れずにドルニエがそう答えると辺りはしんと静まり返った。

「し・・しかしゲルマ先生のルーンシールドがいかに強固であってもドルニエ導師の魔法で破ることが出来るのでは・・・」

 若い魔術師が顔を青ざめながら進言する。

「残念ながら・・。塔を襲った震動。あれの半数以上はゲルマ先生に向けられた魔術師達の共同による攻撃魔法による物だったのは先程述べたとおりだ。無論その攻撃にはわたしも加わっていたが、全て先生の結界を突き破ることは出来なかった・・。」

「そ・・そんな・・。」

 若い魔術師はドルニエの返事を聞いて絶句した。

 辺りには重苦しい空気が漂う。

「・・導師ドルニエ。」

 魔術師の1人が一瞬の沈黙を破った。

「わたし達だけで対抗しようと言われても剣も魔法も効かないとなるとどうしようも無いではないですか。何か対抗策がおありなのですか?」

 魔術師は席を立ち、ドルニエの前まで詰め寄ってそう言った。

「君・・。」

 ドルニエは側に席を取っていた俺に合図した。

「ああ。」

 おれはそう返事をしておもむろに席を立ち上がる。そして声を大にして言った。

「切り札はある!」

 俺が声を大にしてそう言うと、皆の視線が俺に集まり辺りがどよめいた。

「こいつがその切り札だ!」

 俺は天王の剣を引き抜き、皆に見えるように掲げる。皆の視線がこの剣に注がれた。

 考えてみたらこうやってみせるのは初めてだったな。片手でも両手でも扱えるように作られた両刃の剣。その薄青い刀身の中心部分には古代高速言語が刻まれている。鞘から抜き放たれた剣はその力を誇示するかのように魔力を放っている。

 辺りのどよめきは更に大きくなった。

「マジックソードがあるとは聞いていたが・・。これ程の物を持っていたのか・・。」

 ドルニエには既に話してはいたのだが、予想を遙かに超えたこの逸品を目の当たりにし、ドルニエは絶句した

 ドルニエの一言で魔力感知能力のないキッドやマイケルも確信に至ったらしい。2人共目を天王の剣に釘付けにしていた。

「こいつならば奴の結界も易々と破ることが出来るだろう。

 だが相手は魔道士だ。わかっているとは思うが魔法という飛び道具がある相手の方が絶対に有利だし、こいつの存在を知った時点で奴は全力で奪いに来るだろう。現時点で奴にとって唯一の脅威だからな。」

 全員が息を呑む。

「いいか?これから作戦の内容を話す。よく聞いて置いてくれ・・。」

 俺は周囲の気配に注意しつつ、作戦を話し始めた・・。

 

 

 

 作戦会議は終了した。

 俺は食堂の清掃道具箱にあったモップを取りだしてモップ部分を愛用のダガーで切り落とした。

 そしてウルバックからロープを取り出して柄の先に今使っていダガーを鮮やかにくくりつける。外れないように頑丈にだ。

「槍ですか。」

 マイケルの問いに無言で頷いてやる。

 俺は出来上がった簡易槍で手近にあった掲示板を突いた。

 ドカッ!

 槍は小気味のいい音を立て、見事に刺さっていた。引き抜く際にもロープの緩みから来るグラグラ感は感じられない。

「ミスリルスピア、一丁上がりだ。」

 ミスリル鋼で作られたこのダガーにも魔法効果があり、天王の剣には遠く及ばないがあいつの結界を破る事が出来るかもしれない。

 多数のマジックアイテムを所有する新米冒険者である俺を、マリア以外の全員が何か特別な物を見るような目つきで見ていた。

 こいつは一体何者なんだ。とでも考えているのだろう。だがそんな視線を気にしている暇はない。

「マリア。こいつを頼む。」

 俺はそう言ってミスリルスピアをマリアに渡す。

「え?あの・・テ・・テイファさん。私こんなの扱える自信が・・。」

 突然槍を手渡されてマリアは戸惑った。

「お前が使うんじゃない。だが今はお前が預かっていてくれ。」

「え・・?あ・・はいっ!」

「頼むぞ。」

 俺はマリアの元気のいい返事を聞くと、武器を探すために食堂を出た。

 作戦上、天王の剣はキッドに預けてある。そして副武器のダガーまでマリアに渡した槍にしてしまったから武器が無いのだ。

 得物を探しに見張りの詰め所に行き、見張りに用意された武器がないか調べる。

 そして手頃な槍を見つけ、食堂に戻った。

 

 俺が食堂に戻ると辺りは既に慌ただしい雰囲気に包まれていた。

 召使い達も魔術師達の指示に従って移動をはじめている。

 「よし。じゃあそろそろ行くぜ。念を押して置くが1人でも勝手に動いたら全滅する可能性がぐっと高くなるからな。絶対に俺の指示通り動いてくれ。」

「わかっている。」

 今まで高圧的だったドルニエも、すっかりおとなしくなっていた。

 自分では処理しきれない出来事の処理法を提示されたのだ。奴としてはそれに従うほか、道はない。

 必要以上にプライドの高い男ではあるが、一度自分が認めた相手ならば従える器量は持っているらしい。

「行こう。上も静かになったしそろそろ来るはずだ。」

「ああ。出よう。」

 俺は頷いて、部屋を出ていくキッドに続いた。

 

 

 作戦の内容は極めて単純だ。

 まず俺とマイケルが若い魔術師1人を付けて奴と対峙する。剣にとりつかれている奴のことだ。絶対に剣で仕留めようと来る。

 ドルニエと他の魔術師達には邪魔になる上階からの逃亡者を避難させる役を任せ、俺達は防御に重点を置いて後退誘導。合流地点で隠れているキッド達(キッド・マリア・魔術師1人)が不意を突き、殺るというものだ。

 他に召使いや魔術師達が別にいるが彼等には別の指示を与えてある。邪魔にならぬように隠れていることだ。

 実働隊となる俺達は、キッド達との合流地点となる場所に一旦集まった。

 場所は遠くから射線の通りにくい塔の外側にあるに円形廊下の一角を選び、ここで俺はミスリルダガー槍の最終点検を行った。

「いいかマリア。俺達がここまで下がったらまずはライトで目くらましだ。そしてそれが終わったらすぐにその槍を俺かマイケル、近い方に渡せ。」

「はいっ。が・・がんばりますっ。」

 俺がそう指示をすると、マリアは緊張した面もちでミスリルダガー槍を握りしめた。

「じゃあ俺達はこの部屋で待っている。何度も言ったが奴の魔法には気を付けてな。」

 キッドは俺達にそう言葉をかけると手前にある客用の寝室にはいる。続いて残った魔術師が黙って入り、最後にマリアが俺達に一礼してから入っていった。そして扉が閉められる。

 その音を皮切りに階段の方が騒がしくなった。

「ゲルマ先生が来たようだな・・。行こう。」

 ドルニエがそう呟くと俺達は現場に向かった。

 

 

 怒号や悲鳴、そして魔法の炸裂音が辺りに響く。なかなか派手にやっているようだ。

 しばらく大階段に近付くと逃げまどう魔術師達の姿が見えた。そして・・。

「テイファ!あれですか!?」

 マイケルがそう言って指差した炎の塊は次第に勢いが衰え、中から無傷の中年が姿を現した。ゲルマだ。

「ああ。あいつだ。」

 ゲルマはにっと笑うと呆然としている魔術師に近寄り斬りつけた。魔術師は悲鳴を上げて力無く倒れる。

「退避だ!退避しろぉ!!」

 通路の向こう側では混乱して逃げ惑う導師級と見られる魔術師1人と、他数名の魔術師の姿が見える。

「くくく愚かな・・。ザインよ。わしから逃げられるとでも思ったか?」

 ゲルマはそう言って呪文の詠唱をはじめると奴の指先に魔力が集中しはじめた。

 ザインと呼ばれた導師は必死にルーンシールドを張る。

 ザインの前に結界が現れた瞬間、ゲルマの指先から一条の光線が放たれた。ライトニング・ボルトだ。その光線はザインの結界に触れると、結界の力により魔力が分散吸収される。だがあの程度の結界で完全に吸収されるはずがない。

 それは易々と結界を突き破り、とっそに避けたザインの左腕の肘から先の部分が見事に分断された。

 ゲルマが放った光線はそのままザインの後ろにいた魔術師達にも襲いかかった。ある者は腹に穴を開け、ある者は首が飛び、またある者は右腕をまるまる持って行かれた。

「くははははは!脆いルーンシールドだな。」

 顔面を蒼白させてへたり込むザインを前にゲルマは高笑いした。

「マイケル。そろそろ出よう。」

「え・・ええ。テイファ。相手は凶悪です。気を付けて。」

「ああ。んじゃドルニエ、まわりの魔術師達は頼む。」

「わかっている。」

「・・いきます!」

 俺とマイケルはほぼ同時に大階段の前の広間に飛びだした。そのままの勢いで怒声を上げながらゲルマに突っ込む。

 ゲルマはこちらに気が付くと振り返り跳んだ。

 その跳躍は俺達の頭上を悠々と越え、そのまま俺達の後方にふわりと着地した。

 レビテーションか。

「今度は肉弾戦のプロが相手か。少しは楽しめそうだな。」

 ゲルマは振り返りそう言った。俺達もすぐに向き直る。

 俺達の後ろからザイン達が悲鳴を上げながら逃げ惑う声が聞こえた。

「ふん・・あいつ等を逃がしてしまったか。まぁよい。今逃げたところで奴らの運命は変わらぬこと・・。」

 ゲルマはにぃっと笑う。

「ぬしらとは剣で勝負だ。ゆくぞ!」

 ゲルマはそう言うが早いか俺達に向かって走る。そのままの勢いでマイケルに斬りかかった。マイケルは体を左側に泳がせて受け流し、間合いを取って体勢を立て直す。その間に俺はゲルマを突きに行った。しかしゲルマも素早く体勢を立て直し、俺の突きを躱す。俺もすぐに間合いを取り、向き直った。

「ふふふふ。さすがに動きが違う。この剣の斬れ味を試すには丁度良い獲物よ。」

 ゲルマはそう言って剣を掲げた。剣を見る目はこの剣に心酔しきっている。

「へん!魔術師の剣ごとき、敵じゃねぇよ!!」

 無論、剣に憑かれた奴にはそれなりの剣技が身に付いている。だが今はとにかく油断させるのが目的だ。無知な冒険者を演じなきゃならん。俺は一歩踏み込むと槍を上から振り下ろした。

 ガキィ!

 その一撃はあっさり剣で受け止められてしまった。無論受け止められるようにと意識して攻撃はしているのだが思った通り、なかなかやるようだ。

 俺はそのまま連続攻撃に移る。何度も、何度も。そのたびに奴は平然と受け止めて見せた。

 俺の攻撃の隙をついて奴が俺に斬りかかろうとする。

「うわぁ!!」

 俺は悲鳴を上げる。しかし間一髪の所でマイケルが横からエストックを刺し入れて攻撃を制した。・・言っておくが全部演技だからな。

「テイファ。この魔道士、かなりの使い手です。油断してはなりません!」

 そのまま連続でマイケルが鋭い突きを繰り出す。何度も何度も。

「・・ぬお!?」

 脳天を狙ったマイケルの突きの1つは遂にゲルマの防御をかいくぐった。そしてその剣先が奴の頭を貫こうとした直前、奴の張ったシールドが発動した。

 ゲルマが張っているシールドがマイケルのエストックと触れた場所に電光が走り、エストックを弾こうとする。

 マイケルのエストックはシールドに少し突き刺さるも、やはり刺し貫くことは出来なかった。

「くっ・・なに!?」

 マイケルは驚いた顔をしてとっさに後退する。

「くくくく。残念だったな若き剣士よ。わしにぬしらの攻撃は通らぬ。あきらめてこの剣の錆となるが良い。」

 ゲルマが高笑いする。俺とマイケルは慌てた風に装った

「マイケル!!ヤベェ!逃げるぞ!!」

「しかしこのまま置いておくわけには!」

「馬鹿野郎!お前の攻撃が効かない相手をどうしようってんだ!!とっとと行くぞ!!」

 俺はマイケルの手を取って走り出す。

「ふっふっふ。鬼ごっこか?良かろう。付き合ってやるとするか。はーっはっはっはっは!

 ゲルマは俺の予想通り、追ってきた。ここまでは計算通りだ。マイケルもうまくやってくれている。ドルニエも魔術師どもをうまくまとめたのか、邪魔な魔術師の姿もみあたらない。

 後はうまく誘導して勝負に出るだけだ!

 俺とマイケルはキッド達の待つ部屋に向かって走り出した。



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